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2021/06/18 23:23

皆さんも病気になって病院に行ったときに、抗生物質を処方してもらった経験はあるかもしれません。


動物たちも同じように病気のなった時の治療として抗生物質が使われておりますが、
予防のためにも抗生物質が使われているのは、人間の場合と違うところだと思います。


この抗生物質にかかわる議論の1つが、”抗生物質多用による耐性菌”です。
耐性菌とは、ある特定の抗生物質を使用を重ねているなかで生まれるその抗生物質に耐性をもつ菌のことで、
その菌が人間に感染したときに抗生物質が効かなくなり治療に影響を与える可能性が問題となっています。

ちなみに、耐性菌による世界の死亡者数が2050年にはガンを上回り1,000万人になると想定されています。



耐性菌の対応としては、私たちがむやみやたらに使用するのではなく医師の指示通りに服用するなどが必要です。
一方で、周りの環境や、家畜からのお肉を通じて感染する可能性も言われています。

その対策として、コーデックス委員会から2005年
”人の健康への悪影響の低減のための措置が取られていない場合には、
動物における成長促進のための抗生物質の使用を段階的に廃止する。”
という実施規範が出されています。

成長促進のためってどういうこと?と思いませんか。
初めに言ったように、抗生物質は動物に対して治療だけでなく予防にも使用され、
それだけでなく成長促進の目的でも使用されています。

成長促進目的での抗生物質の使用は
① 有害な細菌の抑制
② 飼料の栄養分の細菌による利用を抑制し、家畜で利用
③ 有害な発酵物の抑制
と定義されています。

治療や予防のための抗生物質は動物医薬品としての利用なので獣医師による処方が原則ですが、
成長促進目的は飼料添加物としての利用であり、法律で決められている範囲内ですが飼料工場が飼料に混ぜます。

この成長促進目的の利用があってか、日本における抗生物質の使用量において
人間用の約2倍の抗生物質が動物向けに使用されており、その大部分が豚であるとのデータがあります。


EUでは、2006年に成長促進目的での抗生物質の使用を禁止にし、
さらには予防目的の使用も禁止し治療のみに限定する動きも始まっています。